京都を学ぼう

京都の文化 美術(同志社女子大学教授 山田 邦和)

仏像彫刻に傑作多く

 芸術の都でもある京都は、すばらしい美術品によって満たされています。お寺を訪ねたら、仏様の姿をじっくりと見せていただきましょう。火災のためにお寺の建物が焼失しても、仏像だけは助け出されることが多く、思いがけないところに古いすばらしい彫刻作品が残っているからです。平安時代中期の京都で活躍した仏師である定朝(じょうちょう)は、寄木造(よせぎづくり)という新しい手法を完成して仏像彫刻の新しい可能性を開きました。宇治の平等院鳳凰堂(ほうおうどう)の本尊である阿弥陀如来(あみだにょらい)像は、定朝の最高傑作のひとつです。鎌倉時代に入ると、まるで生きているような迫真性を持つ彫刻が数多く生まれました。六波羅蜜寺の「空也(くうや)上人像」は、口から「南無(なむ)阿弥陀仏」という念仏の声が六体の小さな仏像となって飛び出しているという奇抜な発想のもので、この時代の代表的な人物彫刻です。[仏像の見方はこちらをクリック

独創的な絵画作品

 傷みやすい絵画作品はいつも人目にさらしておくことが難しく、お目当ての作品に必ず会えるとは限りません。しかし、博物館の常設展示や特別展覧会、お寺の特別公開などの機会はぜひ逃さずに行ってみましょう。さまざな動物が擬人化された格好で登場し、まるでアニメを見ているような気分にさせてくれる高山寺の『鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)』(12~13世紀ごろ)と、奇妙だけれどもどことなくユーモラスな妖怪たちが大行進する大徳寺真珠庵の『百鬼夜行(ひゃっきやこう)絵巻』(16世紀)など、面白い作品に出合えるかもしれません。皆さんも京都の博物館や寺社を訪ねて、自分のフィーリングに合った一品を探してみませんか?

作家の表

ジャンル 作家 作品 年代 所蔵
飛鳥時代
彫刻 弥勒菩薩半跏思惟像(国宝) 7世紀 広隆寺
国風文化
彫刻 定朝 平等院鳳凰堂 阿弥陀如来像(国宝) 11世紀 平等院
院政文化
絵画 鳥羽僧正覚猷 鳥獣人物戯画(国宝) 平安末~鎌倉初期 高山寺
絵画 藤原隆能 源氏物語絵巻(国宝) 平安末期 ★名古屋市・徳川美術館、東京都世田谷区・五島美術館
鎌倉時代・南北朝時代
絵画 藤原隆信 伝・源頼朝像・平重盛像(国宝) 鎌倉初期 神護寺
絵画 北野天神縁起絵巻(国宝) 鎌倉初期 北野天満宮
彫刻 湛慶 木造千手観音坐像(国宝) 1254年 妙法院蓮華王院(三十三間堂)
彫刻 康勝 空也上人像(重文) 六波羅蜜寺
室町時代
絵画 如拙 「瓢鮎図」(国宝) 1410年ごろ 妙心寺退蔵院
絵画 雪舟 「天橋立図」「夏景山水図」「黄初平図」「花鳥図」(国宝) 1501~1506 京都国立博物館
桃山時代
絵画 狩野永徳 「洛中洛外図」(国宝) 1574年? ★米沢市・上杉博物館
絵画 長谷川等伯 「智積院襖絵」(国宝) 1593年頃 智積院
江戸時代前期
絵画 狩野探幽 「雲龍図」(重文) 江戸時代 妙心寺退蔵院
絵画 狩野探幽 「群虎図」(重文?) 江戸時代 南禅寺
絵画 本阿弥光悦 「鶴図下絵和歌巻」絵:俵屋宗達、書:本阿弥光悦(重文) 17世紀 京都国立博物館
絵画 俵屋宗達 「風神雷神図屏風」(国宝) 17世紀 建仁寺(京都国立博物館)
江戸時代中期
絵画 尾形光琳 「金地著色太公望図」(国宝) 京都国立博物館
江戸時代後期
絵画 与謝蕪村 「鳶鴉図」(重文) 北村美術館
絵画 円山応挙 「紙本著色七難七福図」(重文) 1768年 承天閣美術館
明治時代
絵画(日本画) 富岡鉄斎 「青緑山水図 蓬莱仙境・武陵桃源」(×) 1904年 京都国立博物館
絵画(日本画) 竹内栖鳳 「絵になる最初」(×) 1913年 京都市美術館
大正時代
絵画(日本画) 上村松園 「序の舞」(重文) 1936年 ★東京藝術大学
絵画(洋画) 梅原龍三郎 「雲中天壇」(×) 1939年 京都国立近代美術館
昭和時代
絵画(日本画) 堂本印象 「訶梨帝母」(×) 1922年 京都国立近代美術館
陶芸 河井寛次郎 「白地草花絵扁壷」(×) 1939年 河井寛次郎記念館